2025年8月5日、台湾環境部は、269種の全フッ素および多フッ素アルキル化合物(PFAS:Per- and Polyfluoroalkyl Substances)を新たに「懸念化学物質」として指定し、その規制濃度および運用方法に関する草案を発表しました。
台湾環境部によると、PFASは一群の化学物質の総称であり、種類は1万種以上に上るとされます。形態や用途もさまざまで、たとえばペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)およびその塩類・関連化合物、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)およびその塩類・関連化合物、ペルフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)およびその塩類などは、すでにその環境や人体への有害性が明らかとなっており、ストックホルム条約に基づいて台湾の毒性化学物質として管理され、用途が制限されています。
今回の草案では、ストックホルム条約で対象となっていないPFASについても、予防的管理の観点から、台湾域内で既に取り扱われているPFASの実態を調査し、リスクに応じた段階的な管理を導入することを目的としています。
【規制の概要】
本草案では、PFASを以下の3カテゴリに分類し、それぞれの管理措置を定めています:
– ペルフルオロアルキル酸、その前駆体、その他のPFAS化合物
– PFASポリマー
– PFASガス
いずれも規制濃度は 「0.1%」に設定され、以下のような管理義務が発生します:
■ 「ペルフルオロアルキル酸、その前駆体、その他のPFAS化合物」を 0.1%超で製造・輸入・販売・使用・保管する場合:
– 事前の許可申請
– 月次記録・四半期ごとの報告
– 容器や包装への表示、SDS(安全データシート)の備え付け
■ 「PFASポリマー」および「PFASガス」について:
– 0.1%超〜30%未満:容器・包装の表示義務のみ
– 30%超:上記に加え、事前の許可申請・月次記録・四半期ごとの報告・SDS等が必要
今後の対応:
環境部は、今回の269物質の追加管理による業界への影響が広範であることから、引き続き業界と意見交換を行いながら、関連機関とも連携してPFASの適切な管理を推進していく方針です。
なお、今回新たに懸念化学物質として指定される269種のPFASは、研究、教育、試験、分析などの用途には適用除外とされており、法施行後は2年間の移行猶予期間が設けられます。
本草案に対しては、公告日翌日から30日以内に、環境部へ意見や修正提案を提出することが可能です。
下記のリンクより記事の原文をご確認いただけます。
https://enews.moenv.gov.tw/page/3b3c62c78849f32f/d96ae3b3-35c2-44f5-bb8e-14fcac620045